konomiti’s blog

感想とか日常とか

歴史総合とは

歴史を学び直したいと思うことが度々ある。
本屋で歴史の本を手に取るも、固有名詞ばかりで頭に入ってこない。
歴史の勉強をしたいけど中々始められない。
 
先日手に取ったのは岩波新書の新刊

「世界史の考え方 シリーズ 歴史総合を学ぶ①」

 
どうやら2022/4から高校の学習指導要領が新しくなり「歴史総合」という科目が追加されるらしい。
 
「近現代の歴史の変化に関わる諸事象について、世界とその中における日本を広く相互的な視野から捉え、資料を活用しながら歴史の学び方を修得し、現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史を考察、構想する科目」(高等学校学習指導要領 2018)
 
自分が高校生の頃、歴史には苦手意識を持っていました。
本の序文でも指摘されていますが、歴史科目は歴史的事実の暗記を要求されるものというイメージがありました。
試験範囲を作業的に暗記することに終始してしまい、試験が終わるとさっぱり忘れてしまうのでした。
 
大人になった今、歴史を試験科目としてではなく、自分が生きる世界をよく理解するために勉強したいと思うようになりました。
でも、「〇〇年に〇〇という事件がありました」という事実の列挙を覚えることは自分にはとても難しいです。
 
まず上記の学習指導要領の記述にとても興味が惹かれました。
思ったことをいくつか書いていきます。
 
近現代を重要視している
→以前の歴史科目は古代から各時代同じ重みで(年表を読むように)学び、スケジュールの帳尻合わせで近現代はむしろ端折られていた印象があります。
世界が複雑化し、かつ現在に直結する近現代に時間を掛けるべきではないかと思っていました。
 
世界と日本を相互的な視野から捉える
→自分が学んだ日本史と世界史は並行しつつ交わらないものでした。諸事象の背後にある事情や事象同士の連関を学べれば、暗記に終始することなく出来事への理解に繋がりそうだなと思います。
 
資料を活用しながら歴史の学び方を修得
→高校生の頃は、歴史を事実としてインプットしていました。資料が歴史そのものみたいな感覚?
歴史の学び方とはなんだろう。資料を批判的に読むことで多角的な歴史認識が得られるという感じだろうか。
 
現代的な諸課題の形成に関わる
→歴史からの学びを現代に活かすという視点だろうか?
「歴史から学ぶ」という考え方は知っていても、高校生の頃は、授業で習った歴史と現代の問題との繋がりは見えていませんでした。
 
歴史を考察、構想する
→資料を事実として受け入れるのではなく、資料を基に歴史を考察・構想するのか。
 
 
資料を批判的に読み解く能力が付けば、世の中のフェイクに騙されにくくなりそうだ。
事象に対する一面的な理解から脱却できるのならば、複数の視点から物事を捉えられる思慮深さが身につきそうだ。
今の高校生が羨ましい…
 
 
とても面白そうな本だと思います。
この本では、「歴史総合」を有意義な歴史教育にするために、歴史学の「問い」や歴史叙述のありようを対談形式で考察していくようです。
まだ「はじめに」までしか読んでいませんが、購入したのでじっくり読み進めていきます!